頭高山について

頭高山(ずっこうやま)は神奈川県秦野市の南西に位置する標高303.4mの山です。
その名の通りどこから見ても丸い頭の形をしていて、昔は頂上に1本の大きな松の木がそびえ、四方のどこから見ても目立つ可愛らしい山でした。
東海道の脇往還としても機能していた矢倉沢往還(やぐらざわおうかん)が通り、麓には四十八瀬川(しじゅうはっせがわ)が流れ、南側山腹には神山滝(こうやまたき)の瀑布が落ちます。
また頭高山の林道からは表丹沢の雄大な山景を、山頂からは松田町方面を一望することができます。

頭高山はかつて畠山と呼ばれ、段々畑に葉煙草や菜種、麦などが栽培されていました。
鹿児島の国分、茨城の水府と並んで日本三大銘葉と知られていた秦野では、昭和59年を最後に330年続いた伝統的な葉煙草栽培が姿を消しました。
頭高山でも昭和40年代には葉煙草が姿を消し、時代の変遷の中で耕作放棄地が増加しました。
20年ほど前から荒廃する山林に再び懐かしい里山の景色を取り戻そうと、「頭高山を愛する会」を始めとする地元有志や各種団体・行政等の手で、山道整備や植樹活動が行われてきました。
今では八重桜や紅葉など四季折々の魅力を求め、多くのハイカーが訪れるハイキングスポットとなっています。